殺処分を減らしていくための対策の紹介
このページでは、犬猫の殺処分を減らしていくための様々な対策を紹介しています。
今後、殺処分数ゼロを目指していくために必要なアクションとはどのようなものがあるのでしょうか??
去勢・不妊手術(TNR運動)
殺処分を減らしていく対策として真っ先に上がる対策の1つが、去勢手術と不妊手術です。実際に野良猫へのTNR運動は、長期的に見ると安楽死させるよりも数を減らせるという調査結果が出ています。
「生物としての機能を奪うのは間違っている」等の批判的な意見もよく耳にしますし、私自身もできる事なら不妊・去勢手術をすることなく殺処分されていく犬猫が減っていくなら理想だと考えます。
しかし、現状では殺処分されている犬猫の多くは生まれて数カ月未満の子犬、子猫なのです。つまり、引越し・転勤等何らかの生活環境の変化等によって飼えなくなったという類の理由ではなく、乱暴な言い方をすると飼い主からすると勝手につくってきた望まざる子どもなのです。
また、これが飼い主のいない地域猫や野良猫の場合であれば、数匹があっと言う間に数十匹に繁殖してしまいます。結果、まだ小さな命が毎日大量に処分されていっているのです。
やはり、生まれてすぐに殺されていく命を減らしていくためには、現在のところ去勢・不妊手術というのは1つの有効な手段と考えられます。
里親探し
何らかのやむを得ない事情等で飼えなくなってしまった場合には、やはり里親(次の飼い主)探しという手段が理想的でしょう。
知人・友人・ご近所さん等で信頼のおける人に飼って頂くのが最も身近な手段でしょうが、最近では、当サイトの『命を繋ぐ 里親募集システム』のようにインターネットを利用して里親を募集出来るサイト等もあります。
譲渡会の開催
保健所や動物愛護センターに引き取られた犬猫を中心に行政や民間団体によって里親探し・譲渡会等が開催されています。
しかし、未だ日本ではペットはペットショップで購入するというのが一般的で、譲渡会で犬猫を引き取り飼うという選択をする人は一部の人に限られます。
そのため、施設に引き取られた犬猫の内比較的状態の良い犬猫しか譲渡会に回されずに多くの犬猫は生きるチャンスを与えられることなく処分されていくのです。
まずは、遊びがてらに気軽に足を運んでみては如何でしょうか?
マイクロチップ・迷子札
自治体によってバラつきはあるものの、保健所等の施設に保護された犬猫の収容期間は3〜7日間が一般的です。つまり、この期間内に飼い主からの連絡が無ければ殺処分されてしまいます。
残念な事に、このように処分されていく犬猫が沢山存在します。迷子になっても、その内帰ってくるだろうと捜さずにのんびり構えているのは飼い犬猫を殺すのと同じなのです。
犬猫は迷子になっても住所や名前が言える訳ではありません。そこで活躍するのが住所や名前などを記した迷子札やマイクロチップと呼ばれる電子標識器具です。
マイクロチップは1cm程度の長さで背側の皮下に埋め込まれて使用されます。読取機によって個体識別が可能となるので迷子によって殺処分されていく犬猫の減少に繋がります。
しかし、実際は『費用が1万円前後(自治体によっては補助金が出るため飼い主負担が少なくて済む地域もあり)かかる事』、『国内の保健所や愛護センター等の施設に読み取り機が十分普及していない事』、『施設の職員がマイクロチップの情報を読み取る義務がない事』等を理由に、普及が進んでおらず、本来の効果も期待できないのが現状の様です。
今後に注目・期待したいと思います。
首輪などに犬猫の情報(名前・住所・連絡先等)が記載された札を付ける対策です。
現時点では、マイクロチップよりも迷子になったまま殺処分されていく犬猫を救うために有効な手段と考えられます。
皮下に埋め込むマイクロチップと比べ「落ちる」という可能性は極僅かだけ残されるものの、価格も安価で入手しやすく、とても普及している対策です。
迷子の犬猫がとても高い確率で殺処分されている状況に注目した団体等が独自の迷子札を開発されて普及活動をされています。
私たちの意識の改革
殺処分を減らし無くしていくために最も重要なのが、私たち一人ひとりの動物の命に対しての意識が変わる必要があるという事です。
コチラのページでも紹介していますが、ヨーロッパ諸国では国民全体の犬猫の命に対する関心が高いため、犬猫を保護するシェルター運営のための資金調達が容易であったり、動物取扱業を規制する法的な整備が進みやすく、犬猫にとってもう少し優しく、そして共存していける社会を目指すためには、社会全体の意識の向上は不可欠です。