日本の殺処分の現状
各データに開きがあるものの日本では約2500万頭程の犬猫がペットとして飼われていると言われています。
その一方で年間約32万頭もの犬猫が保健所や動物愛護センター等の施設に引き取られ(飼い主の持ち込みが大部分を占める)1年間で28万頭以上もの犬猫が殺処分されています。1日約800もの犬猫が殺処分されているという計算です。
平成20年度データ | 犬 | 猫 | 合計 |
引き取り・捕獲数 | 116,159匹 | 200,960匹 | 317,119匹 |
返還・譲渡数 | 33,516匹 | 8,670匹 | 42,186匹 |
殺処分数 | 84,264匹 | 202,228匹 | 286,492匹 |
『データ提供元:地球生物会議ALIVE 全国動物行政アンケート結果報告書(平成20年度版)』
その殺処分方法は、二酸化炭素(炭酸ガス・CO2ガス)を密閉された小さな個室に注入し死に至らせた後に焼却処分するという方法が日本では一般的です。
確かに二酸化炭素は鎮痛作用や麻酔作用があり、安楽死薬として容認されています。しかし実際には安楽死とは名ばかりの、ただの窒息死≠ナあり、犬猫たちは苦しみ悶えながら死んでいきます。
特に小さなうちは10分以上二酸化炭素を注入しても息が絶えていない場合が多く、決して短いとは言えない時間怯えて苦しみながら死んでいくのです。
また、二酸化炭素を使用する理由が「コストが掛かる」というのがまったく馬鹿げた話です。
最近では、獣医師による麻酔薬注射や薬剤投与による方法を用いる自治体も増えてきてはいますが、ほんの一部であり、日本では未だに二酸化炭素による殺処分が大部分を占めています。
保健所や愛護センター等の施設が引き取った犬猫が飼い主に返還された割合(返還率)、または新たな飼い主に譲渡された割合(譲渡率)は、自治体によって大きく異なります。
熊本市のように453匹の犬を引き取り、その内411匹を返還・譲渡に繋げ、収容中の傷病死を除けば殺処分された犬は1匹(09年度)という事例もありますが、日本全体で見れば引き取られた犬猫の8割近くは殺処分されていっており、特に猫の返還・譲渡は困難な現状です。
犬猫が持ち込まれてから、飼い主等引き取り手が現れないと判断し殺処分するまでの期間は自治体によって大きくバラつきがあります。
場合によっては1か月以上保護するというケースも見られます。しかし、一般的には3日〜7日程度で、飼い主が直接持ち込んだ場合は引き取った即日に殺処分されるケースがほとんどです。
これもまた、長期間保護すると費用が掛かるという理由というのがとても残念です。
●場所によっては犬猫を引き取る際に身元確認をしない施設も少なくはないようで、容易に持ち込める状況を作りだしているとの批判も聞かれます。
●また、動物取扱業者(ペットショップやブリーダー等)からの引き取りを容認する自治体もあり、売れ残って大きくなり商品価値のなくなった犬や猫を処分しているという腐っているとしか言いようのない許せない状況が存在します。
●動物実験に使うために買い取ってくれるからと犬猫を捕まえて製薬会社等に持ち込む者がいるとの情報も寄せられています。